畳のお手入れについて
日頃の畳のお手入れをご説明します。
掃除機
- 普段のお掃除は軽く掃除機をかけていただけばそれで結構です。
掃除機をかける時は、畳表のい草の流れに沿ってかけて下さい。
特に天然い草畳表はい草が並んでいる方向の摩擦に弱く、い草が流れている方向への摩擦に強く出来ていますので掃除機をかける方向はお気をつけ下さい。
また、あまり下方向に押さえつけるようにせずに、軽く上をなでるようにしていただくとより長持ちします。
掃除機はホコリなどを吸い込む物なので、強くかけても効果はありません。
- 強力な掃除機のパワーブラシを使用すると、健康和紙畳表が痛む場合があります。
- 畳の部屋を掃除する場合には、パワーブラシをOFFにして頂くようにお願い致します。
拭き掃除
- 拭き掃除をする時には基本的にはから拭きが望ましいです。
しかし、から拭きは大変ですし拭いた気にならない方もいらっしゃると思います。
水拭きをする時は必ず、固~くしぼった雑巾で拭いて下さい。洗濯機の脱水をしたような感じが望ましいです。
そして、時期にもよりますがなるべく天気の良い日を選んで下さい。
加湿機について
- 冬場はエアコン等の暖房を使って空気が乾燥するので加湿機を使われる方も多いと思われます。
確かにインフルエンザ等のウィルスは乾燥状態を好みますので加湿も必要でしょう。
しかし、あまりに加湿をし過ぎると畳には悪い影響が出る場合があります。
「湿度が65%」を超えるとカビの活動が活発になる条件を一つクリアする事になります。
特にガスファンヒーターや灯油ストーブは燃焼とともに水分を放出しますので、合わせて加湿機を使うと湿度が大きくあがります。
加湿も必要以上にはしないようにして下さい。
湿度について
- 加湿機の項にも書きましたが、カビが発生する条件の一つに湿度が65%を超える事が含まれます。
昔から畳のカビの予防に「風通しを良くする」と言われ、梅雨時でも窓を開けて換気をしていれば大丈夫だと思われていました。
室内のこもった空気を出せば良いという感じでしたが、今は外気の湿度もあがり窓を開けるだけでは十分では無くなっています。
最良の方法は窓を閉めて「エアコンのドライ」を2日に一度1時間でもかけていただけばかなり危険度は下がります。方法はともかく湿度を下げる事が重要です。
空気を動かすことも効果はありますので、窓を開けるだけよりは扇風機を畳に向けて首振りで回していただくのも良いと思います。これは空気の湿度を下げるのではなくい草の含水率を下げるやり方です。
畳を干すには
- 畳を干すのは特別な事が無ければ「稲わらを使っている畳床」だけで十分です。
- 稲わら系の畳を干す場合には、
- まずは千枚通しのような物を、畳の角から斜めに深く刺して、気をつけて持ち上げます。
- この時、千枚通しが手前にすべって抜けるとお客様も怪我をする恐れがあります。なるべく奥に押し込みながら上に持ち上げる感じでやって下さい。充分にご注意下さい。
- この時、畳の場所と方向が分かるように印を付けておいて下さい(大きさが一枚一枚違うので場所も方向も元通りでないと入りません)。
- 後はお庭かベランダに裏向きに4~5時間干して下さい。
- 畳を裏向きにして干す理由は、畳表を紫外線に当て過ぎると傷む原因にもなるからです。
- 簡単な方法として上記の方法で畳の端を少し持ち上げて、カンカンのような物をはさんで畳の下に風を通すだけでも効果がありますのでお試し下さい。
家具を置く場合の注意点
- 畳はクッション性がある利点の変わりに、凹みやすいと言うマイナス点もあります。
基本的にはタンス等のような「広い面積で重さがかかる」時はそんなに凹みを気にしなくても大丈夫です。
椅子や机のような脚付き家具は狭い面積で重さがかかりますので凹みやすくなります。
そういう場合は脚の部分に少し広めの板などを敷いて重さがかかる面積を広くして下さい。
カビが出た時
- まずは、エアコンのドライを乾燥するまでかけます。(日干しでも何でもとりあえず乾燥させます)
- カビの除去作業において湿気を含んだ雑巾で拭いてはいけません。
- その後掃除機をかけます。(日干しした場合は叩くなりしてカビを落とします)
- その後、ブラシなどで目に詰まっているカビを掻き出して掃除機をかけます。
- 後は消毒用アルコールを布に含ませて拭き取り、充分に乾かします。
- この作業でほとんどのカビが除去出来るはずです。
ダニが出た時
- 掃除機をこまめにかけてダニやダニのえさとなる物を吸い取りましょう。
ダニを減らすために出来る事は限られていますが、その中でも出来る事と言えば。
ダニは暗さを好みますので、電気を消しておびきだしてから掃除機を当ててを繰り返すとより多くのダニを吸い取れます。
畳を干すのも効果的です。
後はダニの餌となるカビが発生しないように湿度管理をしっかりやりましょう。
それでも、改善されない場合は、畳屋さんに相談して下さい。
ダニは生活環境によって発生することが多いので、発生を抑えるためには防虫加工もしくはダニの出にくい畳床への変更をおすすめします。
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畳にアクシデントが起きた時
- 何にしてもスピードが大事です。
- あわててタオル等でゴシゴシこすると汚れ等が広がりかねません。下記の用意が出来ない時でも拭く時はこするのでは無く、叩くように吸い込ませましょう。
醤油及びソースをこぼしてしまった時
- 小麦粉やベビーパウダーなどをすぐにふりかけ吸い取らせ、その後に掃除機をかけます。粉が畳の目に詰まっている時は畳を叩いて粉を浮き出させ、また掃除機をかけます。
クレヨンがついた時
- 乾いた雑巾にクリームクレンザーをつけて拭き取ります。
灯油をこぼした時
- 小麦粉やベビーパウダーをふりかけ、水分を吸い取らせた後で掃除機をかけます。その後、お湯で湿らせた雑巾(強く絞って下さい)で良く拭き、次に乾いた雑巾で拭いて乾かします。
油性ペンがついた時
- マニキュアの除光液で拭き取ります。
焼けこげが出来た時
- セロハンテープ等で傷が広がらないようにしましょう。
家具を置いた後に凹みが出来た時
- 凹んだ所に適度に霧吹きして、ぬれタオルを当てアイロンをかけて下さい。
ガムがついてしまった時
- シンナーかベンジンで拭き取ります。また、畳の目に詰まってしまっている時はタオルを当ててアイロンをかけて浮かして取り除きましょう。
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