い草の皮の厚さの違い
- 畳表の強度を左右する要素の一つが「い草の皮の厚さの違い」です。
- 国産畳表と中国産畳表の品質の差を知るのに重要な知識です。
- この写真は、い草の断面です。
外側の厚みの部分が、「い草の表皮」です。
左側の写真はしっかりしたい草、右側の写真はスカスカのい草です。
見て分かる通り、皮の厚さも中身の充実度も大きく違いますが、問題なのは、「断面で見ないとお客様には分からない」と言う事です。
「い草の皮の厚さ」と「い草の中身の充実度」で畳表の耐久性は決まると言っても過言ではありません。
国産畳表・中国産畳表の違いはこういう見えない部分で大きく違います。
畳にとって大敵の「ささくれ」はこの表皮がはがれる現象です。
皮が厚く、繊維が丈夫であれば畳表が丈夫になります。
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なぜ、い草の皮が厚いと丈夫なのか?
- い草の皮が厚いと畳表は丈夫になります。
畳店が国産畳表と中国産畳表の違いを見る時に、い草を折り曲げたりします。
これは、中国産のい草の方が折れやすいからです。
なぜ、折れやすいかと言うと「表皮が薄く、中身が少なく、繊維が弱くなっている」からです。
表皮が厚いとい草は割れて曲がりますが折れません。薄いと「ぺキッ」と折れます。
繊維に粘りが無く、折られる外側の表皮がすぐに切れてしまうので簡単に折れてしまうのです。
畳表は人が踏んで使う物です。
表皮が厚いか、薄いかで耐久性に大きく差が出てしまいます。
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なぜい草の皮の厚さに違いが出るのか?
- 「い草の中身」と同じで「い草の表皮」も有機肥料でじっくり育てると厚みが出てしっかりしてきます。
今の若い人たちは、昔の人と比べて背が高くなっています。
しかし、骨密度や体の強さではどうでしょうか?
食生活・生活習慣の違いだと思いますが、背が高いのも良いですが、体の強さが大事です。
い草にも同じことが言えます。
い草は11月~12月に田んぼに植えつけられますが、寒い間は背丈は成長せずに「根を伸ばします」。
暖かくなると、十分に伸ばした根から栄養分を吸収します。
この時、必要な栄養を「化学肥料」と「有機肥料」で補います。
化学肥料とは「カリウム」などの必要な成分だけを与えるもので、有機肥料とは、「肥やし」などで自然な形で必要な成分の混ざった有機物を与えます。
化学肥料とは「サプリメント」で有機肥料とは「食事」のようなものです。
中国では、畳表を高く売るために「い草の背丈」を伸ばす事を目的に育てます。
日本では、畳表の「品質を良くする」ために育てます。
この違いが、外見からではお客様に分からない「い草の皮の厚さ」と「い草内部の密度」に強く現われています。
消費者の方が望む畳表とは、①綺麗で ②丈夫で ③安心して使える畳表ではないでしょうか?
実はこのうち、見て分かるのは①綺麗さだけなんです。
だから、中国産は無理にい草を伸ばし、着色も強くする訳です。
また、そうした中国産畳表を買う畳店も多いのです。安いですし。
こうした様々な理由から、現在では「表皮の薄い中国産」が多く流通してしまっています。
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- い草の選別の違い
- 農薬の使い方の違い
- い草の乾燥のさせ方の違い
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