畳の部屋で見るダニや他の虫
- 最近はかなり少なくなりましたが、畳の部屋でダニやその他の虫が出る事があります。
- そんな虫が一体どんな虫なのか、どう対処すれば良いかをご説明します。
最近の畳と虫の関係
- 一昔前は、畳から出る虫と言えばダニが代表的な存在でした。
しかし、畳材料の近代化によって「畳からダニ出た」と言う話はあまり聞かなくなってきています。
少し前までは稲わら畳床がほとんどでしたが、今は畳新調で使われる畳床のほとんどは建材畳床(化学畳床)に変わりました。
建材畳床を使っている畳であれば、虫はすむ所が無くなってきているのです。
とは言え、畳表の主流は当然今も天然い草畳表です。
畳と虫の関係が全く無くなった訳ではありません。
以下に畳の部屋で見かける事の多い虫の種類と対処法を書いていきます。
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ダニ
畳に出る虫と言えばダニと言うイメージですよね。(最近は事情が変わって来ていますが)
畳に出るダニとはどんな虫なのでしょうか?
コナダニ
- ■体長 約0.2~0.5ミリ 乳白色
- ■ホコリの中の「人のフケ」や「食べかす」等を食べます。
- ■ダニの糞や死骸がアレルゲンとなり、アレルギーを引き起こす事があります。
- ■コナダニ自体は人を刺したりしませんが、人を刺す「ツメダニ」は「コナダニ」を捕食して餌としますので、「コナダニ」を放置すると「ツメダニ」の繁殖につながります。
ツメダニ
■体長 約0.3~0.5ミリ 淡黄褐色
■コナダニ等をつかまえて、体液を吸って生きているダニです。
■刺されると、赤くなり非常に痒くなります、吸血はしません。
ダニ対策
上のグラフを見ていただくと分かる通り、実は特に畳だけにダニがたくさんいる訳では無い事が分かります。
ダニによる害は、「コナダニ等の死骸や糞を吸い込む事によるアレルギー症状」と「ツメダニに刺されたりする症状」に分かれます。
昔からある「畳=ダニ」のイメージが出来たのは稲わら畳床全盛の時代であり、基本的に「畳の上でしか人は寝ない時代」だったからと言えます。
ダニの好きな暗い所で人が寝ている訳ですから刺されやすいのも分かります。
しかし現在、ダニに刺される害は少なくなり、多く言われるようになってきたのはダニの死骸等を吸引する事による、アレルギー症状の方です。
住環境の変化で気密性が高くなり、家の中の換気が自然に起き無い事が原因のひとつだと思われます。
畳をフローリングに変えてもダニの心配は無くなりません。
畳はフローリングに変えれても、ソファーや縫いぐるみの材質を硬い無機質に変える事は出来ません。(したくないですよね。)
何を良いたいかと言うと、畳だけにダニ対策をするのでは無く、家全体をダニが住みにくい環境にする事が重要だと言うことです。
ダニの発生を防ぐには
人を刺すツメダニはより小さなコナダニ等を餌にするので、ダニの発生を抑えるためにはコナダニ等が繁殖しにくい環境を作る事が重要になります。
コナダニ等の小さなダニは「人のフケやアカ」または「カビ」などを餌にして繁殖します。
と言う事で防止策は、
①掃除をまめにする。掃除をまめにする事によってダニの餌になる有機物を無くします。
②湿度を管理する。まずカビの発生を抑えるために湿度が65%以下になるようにコントロールします。
- こちら、畳に出るカビの防止及び対処を参照下さい
餌が無ければダニも暮らせません。ダニの発生を防ぐには上記の手段が有効です。
畳のダニの対処
畳にダニが出てしまった場合、まずはダニを減らすことを考えましょう。
ダニは暗いのを好む習性がありますので、まず畳の部屋の電気を消して暗くしておびき出します。
そして30分くらい経ったら、掃除機をかけます。これで多少ダニは減ります。
これを何回も繰り返します。
そして、天気が良い日に畳が干せるようなら、何かに裏向きに立てかけて下さい。
一日干せば、かなりのダニが死んでしまうはずです。
ダニを減らした後は、掃除と湿度管理をまめに行いダニが繁殖し直さないように心がけて下さい。
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シバンムシ
虫が出たお客様からお問合せがあった時に一番多く登場するのが、このシバンムシです。
実害はあまり無い虫ですが、大量発生する事があります。
シバンムシ
- ■シバンムシ
- ■体長2~5ミリ
- ■乾燥食品・書籍・タバコ・畳等を食べます。
シバンムシは人を刺したりしませんが、幼虫に寄生する「アリガタバチ」が発生すると人を刺します。
稲わらを使わない建材畳床を使った畳にはダニはあんまり発生しませんが、シバンムシは発生する事があります。(天然い草畳表使用の場合)
成虫は基本的に歩いて移動しますが、緩やかにですが飛ぶことも出来ます。
- 各家への侵入率は高く、東京都の調査では400件の家を調査して400件全部の家で存在が確認出来たようです。
シバンムシの予防
シバンムシの予防をするのは難しいですが、乾燥食品を密閉した容器に入れるなどの対策があります。
また、乾燥した木質繊維が好物ですが自信は湿気が必要なので、やはりダニと同じで湿度のコントロールが重要です。
湿度の高い5月~9月までは除湿機やエアコンを使って湿度が高くならないように気をつけて下さい。
畳のシバンムシの対処
予防のところに書いた、乾燥食品の密閉と湿度を下げる事くらいしかご家庭で出来る対処はありません。
畳をお庭やベランダで干せる方は、天気の良い日に畳を裏向きに立てかけて干して下さい。
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チャタテムシ
カビが大好物の虫です。
いろいろな食品につく食品害虫です。
チャタテムシ
- ■チャタテムシ
- ■体長1ミリ~2ミリ
- ■様々な食品・カビ等
■人に直接的に害を与える事はない、不快害虫です。
ほとんどのチャタテムシは羽を持っていないので飛びませんが、時折ジャンプします。
湿度が70%以上、温度18℃~35℃を好む、高温多湿型の害虫です。
チャタテムシの予防
湿度が高く、薄暗い環境を好むので、そういう環境を作らないことが予防策になります。
どの虫にも言える事ですが、湿度のコントロールが何より重要です。
畳のチャタテムシの対処
やはり、畳を干せる環境にある方は畳を立てかけて裏向きに干して下さい。
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シミ
実は畳職人をしていて一番見る事の多い虫です。
実害はほとんど無い不快害虫です。
シミ
- ■シミ(和名ヤマトシミ・セイヨウシミ 英名シルバーフィッシュ)
- ■体長8ミリ~10ミリ
- ■乾燥食品・書籍・壁紙等を食べます。
- 現在、畳の部屋で「最も見る事の多い虫」です。体が扁平で動きは俊敏、早い動きで狭いところに潜り込むために捕まえるのは困難です。
畳を食べて暮らしている虫ではありませんが、暗いところを好み、狭い所に入っていけるので畳の下などにいる事が多いです。
畳ではなく、家に付く虫なので、畳だけにシミ対策をしても根絶は出来ませんし、飢餓に強く一年くらい食べ物が無くても死なないようです。
基本的にどこの家でもいる虫なので全滅は不可能と言ってもいいと思います。
人間を刺したりする害虫ではなく、不快害虫ですので「一度見かけた」位でしたら気にせず放っておきましょう。
大発生を抑えるために、餌となる乾燥食品や古本等の保管場所が湿気過ぎないように気をつけましょう。
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虫に強い畳表
畳表材料の中には虫が出ないものがあります。
100%天然素材の畳表でも虫の出ないものがありますので、「虫が出る可能性すら嫌だ」と言う方はご検討下さい。
天然い草畳表も管理次第では虫は出ません。
健康和紙畳表
100%木質天然素材で作られた新素材畳表です。
木質繊維を和紙の様な分子構造ですき、丈夫に作られています。
カビやダニ等の虫が出ない上に、テカリやべた付きも無い自然な仕上がりになっています。
詳細ページ
セキスイ「美草」畳表
耐久性の強いポリプロピレンと、天然素材の質感を演出する吸湿性炭酸カルシウムの絶妙な組み合わせで出来ています。
日焼けしない・水で拭ける・カビ・ダニがでない、
一般的な住宅から飲食店まで使える高機能畳表です。
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ペット畳-わんにゃんスマイル畳表
抗菌・抗カビ効果を持ったレザー素材で出来た畳表です。
1枚のレザーシートで出来ていますので、ほとんど水分を通しません。
和室には違和感がありそうな気がしますが、意外に合います。
カビにも虫にも安心です。
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